1期生からのアウトプット


卒業論文

 臼井 由季

 加藤 浩子

 近藤 美恵

 神保 利江

 角田 督

 中村 行孝

 福地 鉄平

 山口 剛


グループ研究論文(ともに三田商学学生論文集2000/3月に掲載) 


 

ブランドエクイティ研究班
(臼井由季、加藤浩子、近藤美恵
神保利江、福地鉄平、山口剛)

 ブランド拡張研究班
(中村行孝、角田督)


事例集「日本のマーケティングの最前線」(1999年秋)


 慶應義塾大学商学部 濱岡ゼミは1998年度より開設された新しいゼミです。この小冊子は、その第一期生が、自分自身の興味に基づいて、現在、日本の市場で生じているマーケティング現象を事例研究としてまとめたものです。各事例は、それぞれ次のような角度でマーケティング現象をまとめたものといえるでしょう。

・白鶴酒造(福地鉄平)

   酒という伝統的な商品の活性化のためのマーケティング。

・SCE「プレイステーション」(中村 行孝)

  家庭用ゲーム機という先端的な商品を導入するためのマーケティング。

・ガリバー(山口剛)

  中古車の査定方法の標準化など、システム・仕組みを活かしたマーケティング。

・大創産業「100円ショップ」(神保利江)

  混乱に満ちた店頭。POSで管理されたコンビニエンスストアの対極にあるマーケティング。

・キリン「Supli」(角田督)

  新しい商品カテゴリを創造した背景にある、用意周到なマーケティングリサーチとマーケティング。

・日本リーバ「Dove」(加藤浩子)

  海外の大型ブランドを修正して日本向に導入したグローバルマーケティング。

・ハーゲンダッツ(近藤美恵)

  海外のブランドを導入するのみならず、日本での広告の成功によって、グローバルに広告を行うようになった事例。日本発の海外へのグローバルマーケティング。

・エクスピアリ(臼井由季)

  独自のコンセプトと、それを提供するための「ひと」の育成が重要な役割を果たす、「まち」のマーケティング。

 

 これらの事例を鳥瞰すると、伝統的な商品/先端的な商品、新規市場の創造/既存市場への新製品導入/成熟・衰退市場の活性化、効率化/効率を犠牲にしたマーケティング、国内/海外、モノ/サービス/まち、いかなる商品、局面、対象についてもマーケティングが重要であることが読みとれます。

 また、詳しく事例を読んでいくと、日本のマーケティングや消費者行動の現状のみならず、将来の方向性なども読みとれます。どのようなテーマでもよいからという課題を与える場合、どのようにまとめるかという側面以上に、そもそもどのようなテーマを選ぶかということから、学生のセンスを試すという狙いがあります。ここで選ばれた事例はすべて、興味深く、マーケティングセンスのある適切なものだと思います。

 このゼミでは、マーケティング・サイエンス=論理的な分析・思考に基づくマーケティングを中心に研究を進めてきました。論理的な思考を身につけた8名によって集められた、8本の事例研究は、「日本のマーケティングの最前線」を集めたものといえるでしょう。(濱岡談)